2026/09/08
GUNMA PASSPORTと巡る旅 吾妻編【前編】
GUNMA PASSPORTを携えて、次に向かったのは、吾妻地区です。
吾妻は、全国的には、「あづま」が多いですが、群馬では「あがつま」と呼びます。
吾妻といえば、全国に知られた温泉地、草津や万座がある地域。
「鶴舞う形の群馬県」でいうと、ちょうど尾の部分にあたります。
山が多く、標高も高い吾妻地区は、夏でも比較的涼しく、避暑地としても人気があります。
そして嬬恋村では、夏秋キャベツの生産が全国一。
高原に広がる畑から、美味しいキャベツが全国へ出荷されています。
温泉に、渓谷、ダム、鉄道、アート、そして高原野菜。
こうして並べてみると、吾妻は本当に見どころの多い地域です。
今回もGUNMA PASSPORTのスタンプを集めながら、気になる場所には寄り道していきます。
まずは東吾妻町へ
最初に向かったのは東吾妻町。
スタンプポイントは、道の駅あがつま峡です。
この周辺は、戦国時代に真田家の領地だったことから、忍者体験ができるエリアもあります。
道の駅には温泉も併設されているので、時間があればゆっくりお湯に浸かっていきたいところ。
今回は先を急ぐことにします。
そして、東吾妻町といえば忘れてはいけないのが吾妻峡。
上毛かるたでも、
「耶馬渓しのぐ吾妻峡」
と詠まれている、吾妻を代表する景勝地です。
「関東の耶馬渓」とも称される美しい渓谷で、吾妻川が長い年月をかけてつくり出した自然の造形を見ることができます。
以前は旧国道145号線が吾妻峡に沿って走っていました。
昭和の時代には、車同士がすれ違うのも難しいような場所があったそうです。
今では八ッ場ダム周辺の道路が整備され、昔の面影はほとんどありません。
道路が変わると、周囲の景色や人の流れまで変わっていく。
以前、この地域の変化について書いた記事があります。
長野原町、八ッ場ダムへ
続いては長野原町。スタンプポイントは道の駅 八ッ場ふるさと館です。
ここに来たら、個人的におすすめしたいのが、花豆パンと豆大福。
どちらも美味しく、ついつい買ってしまいます。
そして、この道の駅に来る前に、ぜひ立ち寄ってほしいのが八ッ場ダム。
資料館と一緒に見学することができます。
ダムの中にあるエレベーターで、ダムの下流側まで降りることもできます。
下から見上げるダムの堤体は迫力満点。
上から見るのとは、まったく違うスケール感があります。
【写真:八ッ場ダム】
八ッ場ダムによって生まれた八ッ場あがつま湖では、水陸両用車による遊覧も人気。
さらに、旧JR吾妻線の線路を利用したアガッタンという乗り物もあります。かつて列車が走っていた場所を、今度は自分でペダルを漕いで進む。こういう「過去の鉄道を観光に生かす」という発想も面白いですね。
中之条町はアートの町
次は中之条町。
中之条町では、2年に一度、中之条ビエンナーレ(国際現代芸術祭)が開催されます。町のいろいろな場所が展示会場となり、街並みや古い建物、自然の中に現代アートが現れます。
「美術館に作品を見に行く」のとはちょっと違い、町を歩きながら作品を探していくような楽しみ方ができるのが特徴です。
次回の開催は2027年。
写真は過去の作品。
スタンプポイントの一つは、中心部から離れた道の駅 霊山たけやま。
吾妻の山々に囲まれた場所で、景色も楽しめます。
さらに奥へ。四万温泉
中之条町をさらに奥へ進んでいくと、四万温泉があります。
四万温泉は、古くから「草津の仕上げ湯」と呼ばれてきました。
強酸性の草津温泉で刺激を受けた肌を、保湿や美肌効果が期待される四万温泉の湯で整える。
そんな使い分けがされていたそうです。
こういう温泉地同士の「役割分担」のような歴史も面白いところ。
そして四万温泉といえば、あの有名なアニメのモデルになったとも言われる建物があります。温泉街を歩くだけでも、ちょっとした異世界感があります。
四万ブルーを見に行く
四万温泉をさらに奥へ進むと奥四万湖。
そして手前には四万湖があります。
どちらもダム湖なのですが、ここで有名なのが、
「四万ブルー」と呼ばれる鮮やかな青色の水。
訪れたときは、ちょっと薄めの四万ブルーでした。
天候や季節などによっても見え方が変わるそうなので、次に訪れたときはもっと鮮やかな青を見てみたいものです。
そして、当然ダムなので……
ダムがあります。
四万湖にあるのが中之条ダム。
コンパクトなアーチ式ダムで、個人的にはかなり気に入ってしまいました。
大きなダムも迫力がありますが、こういうコンパクトなダムもなかなか良い。
ついつい寄り道してしまいます。
六合(くに)へ
中之条町のスタンプポイントは、もう一つ。中心部からさらに山奥へ進み、道の駅 六合へ向かいます。
「六合」と書いて「くに」。
ちょっと読めませんよね。
もともとは六合村で、6つの地域が集まって一つの村になったことから、この名前が付けられました。
山の中へ進むにつれて、景色もどんどん変わっていきます。そして、この道の途中にも興味深い場所があります。
旧太子駅と群馬鉄山
それが旧太子駅です。
草津のさらに奥には、かつて「群馬鉄山」という鉱山がありました。
ここで採掘された鉄鉱石を、約8kmの長さを持つ3本の索道を使って太子駅まで運び、そこから鉄道で運び出していました。
現在残っているのは、鉄鉱石を貨車に積み込むためのホッパー棟。
現在残っている姿だけでもかなり大きく感じますが、当時はもっと大規模な施設だったそうです。
鉱山から索道で鉄鉱石を運び、太子駅から鉄道へ。
今では静かな山間の場所ですが、かつてここには鉱山と鉄道があり、多くの人が働き、鉄鉱石が盛んに運ばれていた。
そんな過去を想像すると、景色の見え方も変わってきます。群馬鉄山跡は、現在チャツミゴケ公園として整備されています。
そして、ここでちょっと驚いたのが「チャツミゴケ」。
なんと、このチャツミゴケの働きによって鉄鉱ができるのだそうです。
植物と鉄。
一見すると全く関係のなさそうなものが、ここではつながっています。
こういう話を知ると、吾妻の山がますます面白くなってきます。
前編はここまで
東吾妻町から始まり、長野原、中之条、四万温泉、そして六合。
今回もスタンプを押すだけのつもりが、気がつけば、
吾妻峡を見て、
八ッ場ダムを見て、
四万ブルーを眺め、
ダムカードを集め、
旧太子駅で鉱山の歴史を知る。
かなり寄り道しています。
そして吾妻の旅は、ここからさらに濃くなります。
次はいよいよ、草津温泉、そして嬬恋村のキャベツ畑へ。
さらに、浅間山の大噴火と「日本のポンペイ」と呼ばれる鎌原の歴史にも触れます。
豊かな自然に恵まれた吾妻地区。しかし、その自然は時として大きな災害ももたらしました。
後編へ続きます。
No.258より


【地形が変わる】参照












