2026/11/06
GUNMA PASSPORTと巡る旅 利根沼田編【前編】
GUNMA PASSPORTと巡る利根沼田の旅。
今回巡るのは、北毛とも呼ばれる地域です。
沼田市、川場村、片品村、みなかみ町、昭和村の5市町村。
「鶴舞う形の群馬県」でいうと、左の翼にあたるエリアです。
栃木県、福島県、新潟県と接していて、群馬県の北部に広がっています。ただ、山深い地域でもあり、県外へ車で抜けるルートは限られています。栃木県へは金精峠、新潟県へは三国峠や関越自動車道など。福島県との県境には尾瀬があり、山々に囲まれた地域でもあります。そんな利根沼田を、GUNMA PASSPORTのスタンプを集めながら巡っていきます。
まずは昭和村。畑が広がる「やさい王国」
最初に向かったのは、昭和村。
昭和村は農業が盛んな地域で、「やさい王国」を名乗っています。一年を通して、さまざまな野菜が栽培されて収穫されているそうです。なかでも有名なのが、こんにゃく芋。群馬県はこんにゃく芋の産地として知られていますが、昭和村もその一大産地です。村の面積の約4割が畑とのことで、実際に走ってみると、その景色に納得。所々に森林はあるものの、それ以外は一面に畑が広がっています。
【写真:昭和村の畑】
そして、昭和村の農業について、以前メディアで見たことがあるのが、大型トラクターの話。農家さんが大型で高級なトラクターを所有しているというのです。トラクターのパレードも行われているようで、農業が村の暮らしに深く根付いていることが伝わってきます。昭和村のスタンプポイントは、「道の駅 あぐりーむ昭和」。地元で採れた野菜が並び、足湯もあります。関越自動車道の昭和ICからすぐ近くなので、立ち寄りやすい道の駅です。近くを通ることがあれば、ぜひ立ち寄ってみてください。
沼田市。真田氏ゆかりの城下町
続いては沼田市。
沼田は戦国時代、上杉氏、北条氏、武田氏などが争った地域です。そして、江戸時代には真田氏が治めたことでも知られています。ただし、真田氏の沼田領支配は、最終的には改易という形で終わることになります。戦国時代から江戸時代にかけて、さまざまな歴史が刻まれてきた場所です。拠点の沼田城は、現在、公園として整備されていますが、一部、真田氏時代の石垣が残されています。
【写真は、過去の大河ドラマ、真田丸の展示】
また、沼田市といえば、河岸段丘も有名。川の流れによってできた段丘が広がり、「日本一の河岸段丘」と紹介されることもあります。
【写真:河岸段丘】
地形に注目して街を眺めてみると、いつもの景色も違って見えるかもしれません。
沼田市のスタンプポイントは、」「道の駅 白沢」。温泉施設「望郷の湯」が併設されています。スタンプは温泉のフロント正面にありました。温泉に入るつもりがなくても、目の前に温泉があると……スタンプだけ押して帰るのは、ちょっとためらいますね。
片品村へ。吹割の滝と、スキーの思い出
次は片品村です。沼田市からは国道120号線を北へ進みます。かつて、この道は会津街道と呼ばれ、会津方面へとつながる道でした。以前は椎坂峠の山道を通っていましたが、トンネルができたことで、以前より安全に通行できるようになりました。特に冬場は、ありがたい変化ですね。そして、片品村へ向かう途中にあるのが、吹割の滝(ふきわれのたき)です。
【写真:吹割の滝】
「東洋のナイアガラ」と呼ばれることもある滝。……とはいえ、本家のナイアガラとは規模が違いすぎますが。吹割の滝の面白いところは、川の流れが岩の割れ目に吸い込まれるように落ちていくこと。川の両側から水が流れ落ちるような独特の景観は、なかなか珍しいものです。滝の近くへ行くには、川沿いの細い遊歩道を歩きます。観光客が多いと、少し歩きにくく感じることもありそうです。足元には十分注意したいところですね。
片品村は、関東地方の中でも雪の多い地域。かつては村内に7か所のスキー場があったと記憶していますが、現在は5か所になっています。実は、私が初めてスキーを履いたのも片品村でした。スキー教室で初めて板を履いたものの、止まることができずに苦労した思い出があります。なお、国道120号線は冬季に通行止めとなる区間があります。冬に出かける際は、事前に道路情報を確認しておきたいところです。片品村には日光白根山があり、尾瀬への入口としても知られています。実は、人生で一度は行ってみたいと思っているのが尾瀬。今回の旅でも、尾瀬への思いが少し強くなりました。
道の駅 尾瀬かたしなで、まさかの出会い
片品村のスタンプポイントは、道の駅 尾瀬かたしな。
【写真:かたしな】
敷地内では、はちみつを販売している方がいました。試食をさせていただいたのですが、これが面白い。採れた花の種類によって、味がかなり違うのです。甘みが強いもの、少しスモーキーなもの、ほのかに苦みを感じるもの。はちみつは、どれも同じような味だと思っていたので、ちょっとびっくりしました。そして、さらに驚いたのが、この方のお仕事。なんと、尾瀬で歩荷(ぼっか)をされている方だったのです。歩荷とは、山小屋などで使う食料や物資を、背負って山道を運ぶ仕事。お話を伺うと、80kgもの荷物を担いで、10kmも歩き続けるそうです。80kg!場合によっては100kgを超えることもあるとか。普通に持ち上げるだけでも大変なのに、それを背負って山道を歩くとは……。さらに驚いたのは、荷物を背負う道具でした。技術が進歩した現代ですから、最新の素材を使ったものや、人間工学を考えた構造のものを使っているのかと思っていました。ところが、使っている背負子は、木とロープでできているとのこと。シンプルな道具で、あの重さの荷物を運ぶ。もちろん、道具だけではなく、長年培われた技術や経験があってこそなのでしょう。運搬の途中で転んだこともあるそうです。尾瀬に一度は行ってみたいと話すと、「ぜひ来てください」と声をかけていただきました。なんだか、ますます尾瀬に行きたくなってきました。GUNMA PASSPORTのスタンプを集める旅で、まさか尾瀬の歩荷さんと話ができるとは。こういう出会いも、旅の楽しみですね。
利根沼田編【前編】を巡って
今回は、昭和村の広大な畑から、沼田市の歴史、片品村の吹割の滝、そして尾瀬の歩荷さんとの出会いまで。農業や自然の魅力だけでなく、実際に訪れたからこそ知ることができた話にも出会えました。なかでも印象に残ったのは、尾瀬で80kgもの荷物を運ぶ歩荷さん。そして、木とロープでできた背負子を使い、今も山の暮らしを支えているという話でした。
「人生で一度は尾瀬に行ってみたい」と思っていましたが、今回の出会いで、その気持ちはますます強くなりました。
さて、利根沼田の旅は【後編】へ続きます。
No.258より















